ベンツ Aクラス 中古
中古のAクラスは全オーナーがどの程度、やさしくのられてたかで
中古車として販売されているときの価値が大きくかわります。
メリットは小さいことです。幅は日本独自規格の5ナンバー枠が無いので無視すれば
国産コンパクトカーと比較しても短い全長に対して長いホイールベースによって見た目よりは
車内の前後方向の空間は広い、高さ方向はサンドイッチコンセプトフロア構造により高めであり
比較的高めの車高に対しては余裕は大きくないのですが足を前に投げ出す着座感はセダン系から
乗り換えても違和感がないし高いアイポイントは特に市街地走行や渋滞では前方の視界が広く運転し易い。
カタログ数値の最小回転半径は国産コンパクトカーに劣るが実際には極端に短い前後のオーバーハングと
高い視点により狭い道でも苦労はさほど感じない。W169になり初代よりも少し高級感が出た内装も
ほど良い程度の品質感で本来の設計コンセプトがカジュアル感覚なので日本でも人気の車種です。
エンジンはSOHC2バルブ、と言われそうだが市街地などの現実での走行で最も肝心で
必要な低回転〜中回転域でのトルクが太くストレスは感じないし小型軽量のメリットを考えると
国産車がなぜDOHC4バルブにこだわるのか疑問に感じるほど。
ただし渋滞を含む速度の低い
走行条件では燃費は思ったほどは伸びない。反面で高速などを利用し郊外、
田舎道を走らせるとカタログ燃費13.2km/LのW168−A160が平均20km/L程度、
最高で23km/Lと嬉しい程に伸びる。そして最も大きいメリットが「最も安価な車種だから」と言って
安全装備に手抜きをしていない点。小さい車が欲しいけれども安全装備は小さいからこそ充実していてほしい、
と思うと国産は全てのメーカー・車種が該当しない。
トラクションコントロールや横滑り防止機構、
後席の中央の3点式シートベルトとヘッドレストの装備(標準で)がそれを物語る。
(上記の装備は輸出仕様には装備されているが国内販売車両ではオプションですらも無い)
Eクラスからの乗り換えだと静粛性や微振動、所有欲は少しAだと物足りない可能性もありますが、
十分な高性能を兼ね備えた良い車というポジションを確立しています。
初代の販売直後のエルクテストの転倒でサンドイッチコンセプトは重心が高く安全性に疑問がある、
メルセデスのブランドイメージを落とした、と思っているのはその後の報道を知らない方です。
公的なテストでの転倒ではなくて一般雑誌のテストでの転倒にも関わらずに全ての車両を回収し改良した
姿勢や車両を預かったオーナーには代車としてCクラスが与えられ希望すればそのままCクラスに
無償で交換した姿勢などは高く評価され、車両自体も7年間という長期間の販売期間に約110万台という
異例のセールスを記録しそのまま二代目W169にも基本設計が引き継がれた点からも判るというもの。
もしエンジン整備中のA/Bクラスのエンジンルームを見る機会があれば、前輪車軸よりも後方に
搭載されたエンジンはフロントミッドシップと言え、しかも傾斜され「えっ?」と思うほどに低い位置に
寝かされたエンジンに驚くはず。
そして何よりも将来の燃料電池車両やEV電気車両をも想定していたとはいえ
「FF構造で短い全長でどうしたら乗員の安全を確保できるか」ということを従来のFF車両の基本構造から
一歩踏み出して新しい構造を提唱したこと(数多くのFFコンパクトカーを生産している日本車にこのような
思想も構造も見出せないのは逆に悲しい)色々と外野はウルサイA/Bクラスですが乗れば良さは実感出来ますよきっと。
それに最近のメルセデスの安全装備の一つのアクティブブレーキランプ機能が上級車種ではなくてまず
A/Bクラスから採用され装備されていることもこのクラスの良い点です。
見た目に豪華さが足りない?と言われる内装もハザードランプがブラインドタッチで
操作可能な位置にしっかりとあり本来の昔のメルセデスの良い部分を残していると感じられます。
小さい=安物では無いのが感じられるのがAクラス中古者を購入する一番のメリットです。
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